高周波の測定器(1)
1. 2.4GHzプリスケーラーの作成:
2PIC方式で作成した ユニバーサル周波数カウンター(4.)用に、UHF 〜 Sバンド(2.4GHz)まで測定できる、増幅率19dB(at.1.5GHz)程度のプリアンプを入れた
プリスケーラーを作成した。(カウンターのプログラムは表示を若干直す。後にBNCと電源ジャックを設け、ロータリーSWの3レンジ目とする)
プリスケーラーは、MB506(100〜2400MHz、1/64分周 by.sw1=sw2=H)を用い、ECLからTTLレベルに変換し、小電圧も捉え、ミスマッチによる高調波が発生しないようにした。 発振防止は必要で、1MΩでは不足で100kΩを入力に入れた。
プリアンプには、GN1021(ガリヒ素・高周波モジュール、G+19dB、NF3dB(1.5GHz)、最大出力+10dB(10mW))を用いた。消費電流は9Vで80mAも食うが、NFはシリコン系モジュールに比べて低く良好。
一応、高周波ということで、基板は ガラスエポキシ両面基板を ウラベタでエッチングし、スルーホールをあけ、フラックスをかけずに
銀メッキを施した。(* シアン系浸漬型メッキ液に1〜2分漬ける。猛毒注意)
・ また、μPC2709T(プリアンプ、Po=11.5dBm at.1GHz)、μPB1507GV(3GHzプリスケーラー、シリコン系、分周1/128)の組み合わせでも作成したが、マイクロ波での性能は同等以下、NFが高く発振しやすく(100kΩを2本アース)作りにくかった。
2. アナログ電界強度計:
これは、秋月電子のキット(1M〜300MHz電界強度計)であり、HPで公開されている回路図を参考に作成した。
全体の構成は、目盛り板(10MHzで校正)が シャント抵抗(11kΩ)とメータの型番(DE550)によって合わされていて、そのまま写し取って100μA(DC)の電流計の目盛り板に貼ることになる。手書きで書いたが、インスタントレタリングを用いればきれいにできると思われる。(* 自分で校正するのは、電波暗室や専門の測定機器が必要となってかなり困難)
ログアンプ(対数アンプ)の AD8307(アナログデバイセズ社)は、500MHzまでもの広域で出力が一定であり、このような作り方でも 約300MHzまでは大体正確に測定できると思われる。 電波の検出だけならば、2GHz程度まではできる。 アースのとり方は、ケースアースと 基板アースが異なるので注意。
電源を入れるだけで、筆者のいるところでは50dBμVにもなって、ラジオ(AM、FM)、携帯、BS等の電波が常に存在していることが分かる。 LC共振器のフィルターを入れれば、ある程度の電波スペクトル分析器になるが絶対強度は測定できなくなる。
3. マイクロ波テスト発振器:
測定器のテスト用に 適当な発振源がないので、入手しやすい高周波トランジスターを用いてマイクロ波(ただし1〜2GHz)発振器を作成した。
(1) LC共振回路:
2SC3356( fT = 7GHz、max0.2W、NF2dB at.1GHz)の B−C間に 1pFのセラコンを 足の長いまま接続すると、足が Lになって発振する。
足の長さ(セラコンの下の線の部分): l = 17mmのとき 1.2GHz、
8mmのとき 1.7GHz、 5mmにすると発振が停止する。 1石なので、周波数は不安定。 集中定数回路としてはこの辺が限界と思われる。
(2) 分布定数回路:
ガラスエポキシ両面基板(厚み h = 1.2mm、エッチング後銀メッキ、裏はベタアース)で、図のように
ショートスタブ(端部を3つのスルーホールで裏面とつなぐ)の ストリップラインを作り、1.40GHzのマイクロ波を発振させた。
ストリップラインは、 波長 λ = c / f = 3×108 / 1.4×109 = 21cm、 L(17mm) < λ/4(53.6mm) なので、インダクタとして働き、同調コンデンサー(1pF)を接続点に付ける。
発振しやすいようにラインの幅を広く取ったのでインピーダンスはかなり低めだった。(* コンデンサーは、周波数特性の良い可変容量ダイオード(高周波で低抵抗)にすると、VRで可変の
VCOにすることができる。)
周波数精度は、短時間では6桁くらい安定するが、温度による長期変動(基板の比誘電率
εr (=4.8)と 同調コンデンサ(1pF)の変動)により、3桁程度だった。2石なので、出力の取り出しによってほとんど変わらない。 出力は、1〜2mW程度と思われる。
・ UHF帯(300−500MHz)のテストには、POS−535可変周波数発振器(7mW程度)を用いた。(→ 周波数カウンターの精度UP(3)の 6.(2))
§ 被造物の波動的性質:
UHFやマイクロ波ともなると、日常的な尺度で 電磁波の波動的性質が現れてきます。 非常に速い光(秒速30万km)であっても、振動数がG(ギガ)Hz = 109Hz にもなると、振動の腹と節が数cmレベルまでになり、直感的に見やすくなります。
電磁波の周波数が上がると物質との反応性が上がって、損失が小さい材料でないと扱えなくなります。
ミリ波にもなると、ミクロの いわゆる”マイクロストリップライン”として、半導体と共にパターン形成して作られるようになります。
さて、光量子も含めて、量子力学的振動は本当に奇妙なもので、本質的に 複素数の振動です。自然は 本質的に”平面の数”=複素数で記述されます。
自然法則のうち、虚数単位 i を含まないものは、 e−x 型の、いわば ”死の法則”の形をとります。これは、負の指数関数的に だらだらと減少し続ける形です。(統計力学、熱拡散、混合、エントロピー増大則、分散、放射性核の崩壊など)
一方、虚数単位を冪に含むものは、 eiθ 型の、いわば ”いのちの法則”の形をとります。これは、波動、音波、弦や膜などの力学的な振動、共振回路、電磁波、そして、量子力学的振動などです。
自然の最も根源的な性質は、量子力学で完全に表現されます。(マクロなものはこれらの合成です) そして、この量子力学的振動は、
のように、実数部と虚数部とを行ったり来たりする 古典物理には無い種類の振動になっています。(cf. 力学振動では エネルギーが 運動エネルギーと位置エネルギーの間を往復し、電気振動では電場のエネルギーと磁場のエネルギーの間を往復する。)
芸術作品は、作者の性質を反映させます。 天地万物を造られた「神様」の性質は、被造物の中にはっきりと現れています。
それは、 円周率(π)、自然対数の底(e)、虚数単位(i) の「三位一体の神」です。 それぞれ、π は 「御父」、e は 「御子」、 i は 「聖霊様」 を象徴しています。
(参照リンク) 量子力学の自然啓示 数学思索の構造 自然啓示と神